メタボで増えてしまった内臓脂肪は、皮下脂肪より脂肪分解に関与する交感神経系のα及びβ受容体を約3倍も多く持っているため、食事・運動療法を行うと、皮下脂肪細胞よりも脂肪分解を起こしやすく痩せやすいという特徴をもっています。内臓脂肪型肥満は溜まると多くの合併症を引き起こしやっかいですが、治療には反応しやすく痩せやすいのです。

メタボリックシンドロームの治療法

メタボの個々の危険因子の治療では、内臓脂肪のぜひ、インスリン抵抗性の改善が重要になります。ですから食事療法・運動療法・ストレスマネージメント療法をうまく組み合わせてまずは減量を目指しましょう。

どのくらいの減量でメタボは改善するのか?

どのくらいの減量でメタボが改善するかといえば、今ある肥満体重を3ヶ月間の食事・運動療法により5~10%減少させることができれば、肥満に合併した糖尿病や高血圧症は改善し、メタボリックシンドロームはほとんど治ってしまいます。その後は摂取カロリーを運動分増やして体重の維持を図ります。月平均2~3kgの減量にて、3ヶ月間でメタボ改善の目標は十分達成できます。

メタボ対策のダイエット法はどうすれば良いか?

仮にですが、例として中年肥満女性なら基礎代謝量に匹敵する1200kcal減量食を男性であれば1500kcal食を目標にします。

減量中でも食べなければいけない蛋白質70gはおかずで摂取しましょう。蛋白質の摂取を減らしすぎると筋肉量が減少し、安静時代謝量が低下して痩せなくなってしまうので最低限のたんぱく質はとるように注意します。

すたとえば1日全部で、牛乳200ml 1本+卵1個+魚80g(刺身5切れ)+肉80g(8×4×0.8cm)+豆腐1/2丁など摂取できれば良いと思います。
そのほかには青野菜はできるだけ多く食べてください。おやつは極力控えます。砂糖菓子はとらないで、どうしても食べたいのであれば握りこぶし大くらいの果物を2個食べるようにしましょう。糖質の摂取を減らしすぎるても精神的にイライラしてしまいダイエットの継続が難しくなるので、糖質は果物で上手に摂取するようにします。

主食は、米飯なら2/3杯×3回に減らします。米飯1杯は200kcalで、これと5枚切りのパン1枚、うどん1玉、缶ビール500cc 1本が同等のエネルギー量になるのでそれぞれ置き換えを工夫して食事に気をつけます。

ダイエット時の空腹感を抑える工夫について

メタボ減量時の空腹感を抑えるためには毎食前と空腹を感じた時はいつでも生野菜のキャベツかレタスを大量に噛むようにします。キャベツなら1個を半分に切って、それを3分の1にして、このケーキのような形をしたものを5cm角に切り、よく洗って10分間かけて噛むようにします。野菜を10分噛んでいると脳の満腹中枢が活性化されだいたい1時間くらい満腹感が続きます。この満腹感が続いている間に食事をして、できれば散歩に出かけてみてください。大量の生キャベツを噛むことは、満腹感以外にも、便秘改善効果や、しわなしで痩せられるというビタミンC効果もあります。ソース、醤油、レモン汁ならかけても大丈夫なので上手に工夫してキャベツを食べましょう。

メタボ減量時のおすすめの運動

メタボ対策での運動は、毎食後30分後より20~30分歩くのが理想的です。歩数は1万歩程度です。しかし、食べた後すぐゴロゴロ寝くなってしまう人は、その場での足踏み5分など軽い運動から意識して行っていきましょう。1分間に110前後の脈拍が運動強度の目安とされていますが、基本は、食べた後は身体を動かすという習慣をを身に付けることが重要です。

メタボ減量時のストレスマネージメント療法

メタボの原因となった過食の大半はストレスによるものです。ストレス原因がわかれば解決方法をみつけやすくなります。そうすれば減量と体重維持がカンタンになります。ストレスの原因は日常の些細なことが原因になっていることが多いのですが、意識して精神面を落ち着かせるようにしましょう。ストレスを無視して厳しい減量目標を掲げても長続きしないので、ストレスを特定して上手くストレスマネージメントをすることが、減量の成功につながります。